「第7回 料理レシピ本大賞in Japan」受賞作

もはや「時短=手抜き」ではない…「料理レシピ本大賞」から見えたこと

家庭料理はどう変わったのか

家庭料理が変わりつつある

「第7回 料理レシピ本大賞in Japan」の発表会が9月8日、スポンサーの1社である朝日新聞東京本社の8階カフェテリアで行われた。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、参加者の人数を絞る一方、ユーチューブでも配信された。書店員が中心になって選ぶ同賞では、SNSなどで人気を集める料理家の作品や、その年の料理界のトレンドが分かる。今年は特に、家庭料理の世界で時代が変わりつつあることが、くっきりと見えてきた。

同賞は、2010年代後半の時短レシピブームにおいて、追い風としての役割を果たしてきた。時短レシピは、もともと「正しい方法でつくっていない、手抜き料理」のイメージが強い。それは、料理に手をかける人が良き家庭料理人、とする風潮が続いていたからである。

 

「省力化」「効率化」のイノベーション

ところが今年の受賞作を見ると、もはや時短レシピは「手抜き」というより、「省力化」「効率化」といった言葉がふさわしいイノベーションだったことが明確に分かる。

今年は、料理部門・お菓子部門の受賞7作品が、軒並み省力化を打ち出したレシピ本だった。

料理部門大賞は、レシピを発信するツイッターのフォロワーが100万人超えで、テレビでもひっぱりだこの料理研究家、リュウジさんの『リュウジ式悪魔のレシピ』(ライツ社)。

18万部を超えた本は、同書によると「1. ひと口で『人間をダメにするくらい』おいしい!のに…」「2. 『最短で、最高の味が作れる』ことを考え抜きました」という特徴を持つ。

例えば、「料理人の腕が分かる」と言われる、滑らかに仕上げることが難しいカルボナーラ。同書では、パスタにベーコン・チーズと調味料を加えて電子レンジにかけ、バターを加えて混ぜ、溶き卵を加えてさらに混ぜるだけで完成する。