イラスト/ジェントルメン中村

6年ぶりの新作『半沢直樹 アルルカンと道化師』発売!あのキャラは出てくる…?

舞台は再び大阪西支店へ

第8話までの放送を終え、いよいよクライマックスの気配が漂うドラマ『半沢直樹』(TBS日曜劇場/夜9時~)。2013年に社会現象となった人気作の続編だが、前作を上回る怒涛の展開続きでファンを楽しませている。

ドラマの原作は池井戸潤氏が手掛ける『半沢直樹』シリーズである。その第5作目となる『半沢直樹 アルルカンと道化師』が本日9月17日に発売された。本記事では、書評家の村上貴史さんに同作をゆる~くレビューしてもらう。ネタバレはありませんので、ご安心ください。

 

6年ぶりのシリーズ最新作が登場

歓喜雀躍。狂喜乱舞。喜色満面。有頂天外。

池井戸潤さんの2020年9月発表の新作は、そう、「半沢直樹」シリーズの第5弾なのです。大喜びせずにはいられません。

現在放送中のTVドラマが7年ぶりということで話題になりましたが、小説としての半沢直樹も久々です。この『半沢直樹 アルルカンと道化師』は、2014年の第4弾『銀翼のイカロス』以来ということになりますから、6年ぶりですね。久々の再会を喜びたいところですが……そんな再会の喜びなど忘れさせてしまうほど素晴らしい出来映えなんです。もう手放しで褒めるしかない。そんな一冊なんですよ。

イラスト/ジェントルメン中村

とはいえ、手放しだけでは原稿になりませんので、なんとか冷静になって『アルルカンと道化師』を紹介するとしましょう。

まずは作中の時代設定について。『半沢直樹1 オレたちバブル入行組』で大阪西支店の融資課長として大暴れし、後には東京に戻って国家と闘ったりもするのですが(今まさにTVでドラマが放送されていますね)、この『アルルカンと道化師』では、『半沢直樹1』の時代の彼が描かれています。厳密にいうと、その半年ほど前の物語。そう、そうなんです。過去の半沢直樹を描いているんですよ。

もしかすると、読者の方々のなかには、半沢直樹が次にどんな強大な敵と闘うのか、という期待を抱かれていた方もいるかもしれません。それこそ半沢が次々と敵をなぎ倒しながら、東京中央銀行で出世していく姿を読むことになるのだろうと思い込んでいた方もいるかもしれませんね。ですが、この第5弾はそちらの道には進まず、原点に返って、銀行員としての半沢直樹の仕事ぶりを描いているのです。