生地の加工工場「キハラ」では絹地の洗浄やシワ伸ばしだけでなく、縮絨加工など感性を必要とする作業も。

自分の目で見ることに意味があると石川さんはいう。「嵐田絹織」のあとは絹地の加工作業を担う「キハラ」へ向かい、生地の仕上がりを見届けた。

「 嵐田絹織」の嵐田功次さん(左)、「キハラ」の木原大樹さん(中央)と。

石川さんが工場を訪れるのは単に品質を管理するためだけではない。取り組むべき課題を再確認するためでもある。

〈テキスト〉で使用する生糸はブラジル・サンパウロにある「Fiação de Seda BRATAC」(通称:ブラタク)社製。日系1世から3世の人たちによって運営されている。

「海外ではまだまだ繊維産業は低賃金、長時間労働、児童労働など労働条件の劣悪さが問題視されている。サステナブルというと環境の話に止まりがちですが人権問題も深刻。ファッションは本来ポジティブなものであるはずなのに、環境や人の犠牲の上に成り立っている現状がある。僕はそれを変えたいんです

繭の糸先を見つける作業は人の手で一つずつ行う。

そのためには牧場や農場、工場で働いている人たちの雇用を守れるよう、毎年ある程度の量を発注し続けることが大事だという。

繭を柔らかくするため湯にくぐらせる。湯の熱源は二酸化炭素を吸収するユーカリが燃料に。