菅新総理、「財務省の意向」に沿った〈財政均衡路線〉は確実だ…!

「消費増税」発言から見えること

本日(9月16日)に招集される臨時国会で菅政権が誕生する(本コラムは菅氏が首班指名される前提で書いている)。菅氏は自民党の総裁選直前に消費税の増税に言及するなど、財政問題に関して踏み込んだ発言を行い、多くの人を驚かせた。

だが、安倍政権がこれまで実施してきた政策を考えれば、菅氏の発言はそれほど唐突なものではない。安倍政権は世間一般のイメージとは正反対に、消費増税や年金の減額を断行するなど、歴代政権の中でも突出した財政均衡主義だった。菅氏の発言は、安倍氏が敷いた財政均衡路線の延長線上にあると考えた方が自然だ。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

衆院解散との関係

菅義偉氏は2020年9月10日、自民党総裁選を前にテレビ出演し、消費税について「将来的には引き上げざるを得ない」との認識を示した。同じく総裁選に出馬した岸田文雄氏や石破茂氏が、消費増税について明言しない中、ただ一人、踏み込んだ発言を行っている。

首相に選ばれる前の段階で、ここまで具体的に言及するとは予想されておらず、永田町や霞ヶ関には激震が走った。あまりの反響の大きさに、翌日の記者会見では、「今後10年ぐらい上げる必要はない」という安倍氏の発言を引き合いに「自身も同じ考え」であるとして火消しを図っている。

だが、首相に選出されることが確実視されている人物から、首班指名前に「消費増税」という言葉が出てきたインパクトは大きい。コロナ危機が進行中の現時点において増税を議論する状況ではないが、この発言があるのとないのとでは天と地ほどの違いとなる。少なくとも永田町や霞ヶ関、金融市場では、将来的とはいえ、増税ありきで話が進むことになるだろう。

菅氏がここまで踏み込んだ発言を行った背景には衆院の解散が関係しているとの見方がある。菅氏は当初から解散に慎重な姿勢とされてきた。当たり前のことだが、現時点で自民党は圧倒的な議席を確保しており、1年後に選挙があるとはいえ、わざわざ議席を失うリスクを現時点で引き受けるのはあまり合理的とはいえない。