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菅新総理が憲法9条について行うべき「たった一つのこと」

安倍首相の悲願「改憲問題」の行方

改憲問題はどうなるのか?

自民党の新総裁が決まった。安倍内閣の政策は継承されるということだが、選挙に勝ち続けた長期政権で達成できなかった課題を遂行することは、当然ながら容易ではない。

新型コロナ対策や経済政策が喫緊の課題であり、外交・安全保障政策の整備も重要である。となると、その他の懸案事項のために残す余力はどれだけあるだろうか。

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安倍首相が力を入れていたはずなのに達成できなかった課題の一つが、改憲問題だろう。

自衛隊を明記する9条改憲案は、安倍首相のパーソナリティーと深く結びついたものだった。安倍政権の継承を掲げる菅氏ではあるが、安倍内閣で達成できなかった改憲を、菅内閣で簡単に達成できるとは思えない。

各種世論調査を見ても、国民の改憲問題への関心は低い。改憲問題が喫緊の課題であるという認識がないので、優先順位が低いと見なされているのだろう。

 

安倍首相は、自衛隊明記の改憲案は現状を変えるものではない、と説明した。それでも、なお首相在職期間中に達成できなかった。そのことが、国民意識に大きく影響した。

自衛隊明記改憲案は、現状を変えるわけでもないのに、なお達成には何年もかかる多大な努力が必要な課題なのだ。だとしたら、それは先送りすべき課題で、他の切迫した課題を優先させるべきではないか? 多くの国民がそう感じているのは無理もない。

ただし、実は、新型コロナ対策を例にとってみても、緊急事態条項の必要性などの憲法問題が大きく関わっている。本来であれば、切迫した課題によりよく対応するために改憲は議論されるべきである。憲法9条を変える必要がないのであれば、それでいい。ただ、9条をめぐるイデオロギー論争で、憲法論議そのものが停止してしまうのは、日本にとって不幸なことだ。