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ミヤシタパーク登場で際立った、渋谷の老舗百貨店の「寂れっぷり」

再開発で「山手外側」は生まれ変わるか
山中 健 プロフィール

「モノを売らない」百貨店の誕生

渋谷のような広域商圏を対象にした大商業地では、近隣住民だけでなく来街客リピーターの支持が必須だ。観光客は新しいところにどんどん取られるのだ。観光客対応のテナントミックスをしている商業施設は、ディズニーランドのように常に投資をして開発をし続けていかないとならない。

また市場において希薄な層をターゲットにしてきた館も早々と新規ターゲットをつかまないと厳しい。例えば、60歳以上の顧客などで半分以上の売上をあげている百貨店などは、改革が急務だ。これまでも言われたことであるが、渋谷の百貨店には、様々なことがリセットされた今こそ大胆な取り組みを期待したい。

 

そして「非競合ゾーンにある館」になることを期待したいのが丸井だ。「モノを売らない百貨店」としてメディアなどで取り上げられる通り、物販からの脱却。新宿店では飲食、サービス業だけでなくb8ta(ベータ)などのニュープレイヤーへの空間提供による賃料収入で稼ぐというビジネスモデルに切り替えて実験している。

同社グループの「渋谷モディ」も、かつては新しいビジネスモデルを提供する商業施設としてオープンして話題となったが、現在は空きスペースが目立つ。今後、渋谷で攻めに転じるのかが見ものだ。

市場規模を上回るオーバーストアになって生き残るのは、それぞれの客層、商品・サービスで一番化した店。それが商売の原理原則だ。インバウンドという大きなビジネスチャンスを失った今こそ、それぞれの店が一番になれる領域を探す時期なのかもしれない。