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ミヤシタパーク登場で際立った、渋谷の老舗百貨店の「寂れっぷり」

再開発で「山手外側」は生まれ変わるか
山中 健 プロフィール

コロナで老舗が苦しくなってきた

渋谷の再開発はずっと以前から計画されたが、コンセプトや施設デザイン、テナント構成などに大きな影響を与えたのは、もちろん東京2020オリンピックだ。

東京でオリンピックが開かれ、海外旅行客で街は賑わい、「過ごして楽しい館内」、「海外旅行客にとって魅力的な飲食や物販」を揃え、インバウンド消費を活発にしようというものであったろう。

しかし、その後誰も予測できなかったコロナ禍が世界を襲い、計算が狂った。街から人が減り、商業施設の苦戦が続いている。「レイヤード ミヤシタパーク」はそれでも若い層を中心に来店客が見られ、程よい賑わいとなっているが、フロアに誰も来店客がいないような商業施設も見られる。

特に、長らく渋谷北西部エリアのランドマークとして愛されてきた、「西武」や「マルイ」といった老舗の商業施設は、現状のままではその存亡が危ぶまれる可能性もある。

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渋谷における商業施設のオープンラッシュにコロナ禍が重なるとは歴史的な皮肉だ。コロナ禍は世界の経済活動を止めた。このようなことは日本のバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災でも起こらなかった。

どこかの経済が止まっても他の国やエリアが景気を引っ張ったが、今回は世界同時に起きている不幸であるため、引っ張るところがない。一方、渋谷でここ数年オープンした商業施設は、好景気型の開発がほとんどである。

開発とは元々その土地の付加価値を上げるものなので、景気をよくするためのものではあるが、その中でも特に好景気を前提したバブル型ともいえるものばかりが渋谷ではオープンしている。オリンピックという、半世紀に一度あるかどうかの一大イベントを期待して開発したからだ。