SDGsはグローバルな共通目標だけれど、国や地域によって課題は違います。それは経済的、社会的な格差だけでなく、伝統、文化、風土といった暮らしの環境にも影響されるもの。日本にフィットする持続可能な社会とは? 日本人の私たちができることは?

今回、お話を伺ったのは、ヘアサロン「ツイギー」のオーナー松浦美穂さん。美しい髪を育てることと、美しい地球を守ることはイコールです。水を汚さない植物生まれのヘアケアに込めた、美容と環境への願いとは?

ヘアスタイルの楽しみも、
地球への思いも諦めない。

松浦美穂さんのヘアケアブランド〈ユメドリーミン〉。エピキュリアンシリーズには、タケノコの皮エキスや米粉、美容成分が豊富なダマスクローズなどを掛け合わせたローズエキス、セージやオリーブが配合されている。

「環境に優しいシャンプーを選んだ人の髪がキシキシ、パサパサしているなんておかしい。ナチュラリストこそ、美しくあるべき。そう信じて開発を始めたんです」

ヘアサロン「ツイギー」のオーナー松浦美穂さんが生み出した〈ユメドリーミン〉は、植物性99・08%のヘアケアブランド。今でこそ洗い心地のよい自然派シャンプーが増えたが、松浦さんがイギリスから帰国した1990年代は、環境に配慮したシャンプーのほとんどが、いわゆる石鹸シャンプー。ごわごわと軋み、髪がパサつくものばかりで、そのことへの違和感がブランド開発のきっかけになった。

サロンを経営する傍ら、〈アヴェダ〉でアーティスティックディレクターを務めていたこともある松浦さん。商品開発にも関わり、知識や経験を積んでいたが、オリジナル商品を完成させるには約3年かかった。研究者や製造所に自らコンタクトを取り、可能性を探る日々。

今、パートナーとして共に開発を進める「ネイチャーズウェイ」の扉を叩いた理由は、28日間で98%が自然に還る植物由来のアミノ酸系界面活性剤を使用していたから。他にも、廃棄されるタケノコの皮から抽出したエキスや、消費量が低下している米粉の成分など、市場で余っている素材の成分を配合。無農薬や有機栽培の国産素材を選ぶことにもこだわってきた。

色からも力をもらえる新作のグロス&パフューム。シリコンや合成ポリマー、鉱物油、石油系界面活性剤、合成香料などは一切使用していない。植物から抽出した香りが髪を包む。左から〈i〉〈sun〉〈water〉〈air〉と名付けられ、自然への思いが込められている。

「せっかく植物の力を取り入れるなら、無農薬や有機栽培を選んで、そこで生きている微生物も一緒に吸収したい。頭皮は体の中で一番大きな毛穴がある皮膚ですから」

こうして完成したシャンプーは、その多くの成分が自然に還り、水を汚さない。シャワー1分間の水量は約12リットル。髪を洗うのに5分かかると、60リットルもの水が必要で、人気のサロンともなれば水量は数十倍。だからこそ松浦さんはこの問題に取り組んできた。

髪から地球を思う。これが私の姿勢なんです。へアスタイルは自分らしさをつくるもの。だから、髪型を楽しむことは諦めたくないし、そこから地球のことを考えていきたい」