# 介護

一人暮らしの母親を「ある高級老人ホーム」に入れた息子が、大後悔したワケ

終身利用権の落とし穴
太田 差惠子 プロフィール

最悪の場合は「退去」も…

「だから僕は、心配していたんです。『人間関係のトラブルなんてありませんから、おまかせください』って言ったのは施設長ですよ。母には僕から言ってきかせましたが、出て行くの一点張りで……。でも、出て行くと言っても、もう実家はありません」

老人ホームでの人間関係のゴタゴタは、決して珍しい話ではありません。施設関係者は「もめごとはあって当たり前」と認識しているもので、今回のように「人間関係の問題なんて、うちにはありません」と言う施設のほうが眉唾物です。施設長の経験が浅いのか、入居を仕向けるために言ったのか……。

大切なことは、もめごとがない、ことではなく、もめごとが起きたときに施設がどのように対応してくれるかです。イザコザの芽は早めに摘まないと、エスカレートしたり、こじらせたり……。

今回、Xさんは転倒してしまいましたが、幸いけがはありませんでした。トラブルから、けがを負わせるようなこともあり、最悪の場合は施設から「退去」を言い渡されることもあります。

 

冒頭で説明した、有料老人ホームで一般的に採用されている「利用権方式」の契約。施設によっては、「終身利用権方式」と書かれていますが、必ずしも「終身」、最期までいられるとは限らないことを理解しておきたいものです。

入居契約書や重要事項説明書の「契約解除の要件」欄にそのことが記されているので、事前に必ず確認しましょう。『一般的な介護方法や接遇方法では、迷惑行為を防止できない場合』『他の入居者の生命や生活に危険を及ぼす可能性がある場合』などの記述があるところが多いと思います。

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