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一人暮らしの母親を「ある高級老人ホーム」に入れた息子が、大後悔したワケ

終身利用権の落とし穴
太田 差惠子 プロフィール

続出するトラブル

母親の居室の隣は、母親と同年代の女性Xさんです。移動には歩行器を使っておられます。入居の際には、タダシさんも顔を合わせ、「よろしくお願いします」と挨拶をしたのですが……。

入居5ヵ月がたった昨年の12月半ば頃、施設からタダシさんに電話がかかってきました。母親と他の入居者との間でトラブルが生じているので、来てほしいとのこと。タダシさんは週末に施設に向かいました。

施設長によると、タダシさんが前回面会してからの2ヵ月間で、Xさんと度々もめているとのことでした。スタッフが仲裁しておさめても、数日で再燃。たとえば、以下のようなトラブルが続出していたというのです。

トラブル1
母親が食堂で席に着いたところ、Xが「ここは私の席よ」と母親の車いすを押しのけた。慌てて、スタッフが仲裁。

トラブル2
母親が「財布がなくなった。Xが部屋に入って、盗んだにちがいない」と言い、騒ぎに。母親の勘違いだったが、プライドの高い母親は謝罪しなかった。

施設の中でトラブルが… photo/iStock
 

トラブル3
母親が食堂に行くと、Xと数人の入居者が母親を見て、なにやらひそひそ。その日、母親は食事をとらずに自室に戻った。
 
トラブル4
スタッフが目を離したすきに、Xが母親に近づき、母親に対し何かを言ったのをきっかけに罵倒しあう大喧嘩に。Xが「出て行け」と叫び、母親も「そっちが出て行け」と応戦。車いすを自分で動かし、Xと接触。Xが転倒。幸いXにけがはなかったものの、母親は「もう、ここには居られません」と、甲高い声をあげた……。

スタッフからタダシさんに連絡が来たのは、トラブル4の直後だったようです。

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