コロナ危機でアニメ業界に起きていること〜そして、ジブリ映画が普遍的な理由

歴史から学ぶべきことはこんなにも多い
石井 朋彦 プロフィール

コロナ禍の、ジブリ作品再上映

映画の公開延期が相次ぎ、映画館の閉鎖が解かれたあとも配給作品がほぼなかった3月後半。劇場からの要望に応える形で、スタジオジブリの旧作が全国で上映されました。

『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』──。

鈴木さんが「今の世の中と関係のある作品」として選んだ4作には、多くのお客さんが、足を運んで下さいました。

一席ずつ空けた満員の映画館で『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』を、マスク姿のお客さんが食い入るように観る光景。腐海や瘴気、感染症やタタリ神といった、まるで今日を予見したような内容に、私のような凡人はつい興奮してしまうのですが、ふたりに「未来を予知した」という意識はまったくなさそうです。

 

歴史に学び、今この瞬間のことを考え続けてきた結果、作品が生まれたのだ──という態度は一貫しています。

ふたりの対話は、今起きていること、歴史、そこから見えてくる未来の話が中心です。

鴨長明の「方丈記」、ペストやスペイン風邪の歴史等、話題は多岐にわたりますが、いずれも歴史という大きな流れの中で、今何が起きているのかを静かに見極めようとしているように見えます。