コロナ禍において、アニメ業界で何が起きているのか。
ふたつの側面から、見ることができると思います。
ひとつ目は、アニメ業界も多くの業種と同様、大きな打撃を受けているということです。
テレビアニメは、春夏秋冬、3ヵ月ごとに年内4クール放映されますが、3月に緊急事態宣言が出された後、納品できなくなった春番タイトルの中止・延期が次々と決まりました。
夏番放映中の今も、空いてしまった枠では、特別番組や再放送が放映されるという状況が続いています。春夏に延期された作品がこの秋から放映され始めましたので、徐々に新作放映は戻りつつありますが。
そんな中においても、多くの作品が放映にこぎつけ、各スタジオの底力が証明された形ともなりました。
劇場アニメも延期が相次ぎ、公開が1年先となった作品もあります。
緊急事態宣言下で劇場は閉鎖されていましたし、再開後の今も、座席は三密を避けるために一席おきとなり、以前のようにお客さんが戻っているとは言えない状況です。
放映・公開延期は、あとに控える作品が玉突きになってゆくということを意味します。新作の企画・制作が遅れ、予算も絞られる傾向にありますので、この秋冬を経て、制作体制を維持することが厳しくなるスタジオも増えてゆくと想像されます。