鈴木敏夫プロデューサー〔PHOTO〕gettyimages

コロナ危機でアニメ業界に起きていること〜そして、ジブリ映画が普遍的な理由

歴史から学ぶべきことはこんなにも多い
コロナショックで「当たり前」が崩壊した今、未来をどう考えればよいか。エンターテインメント業界の次代のキーパーソンたちが、コロナ禍の現在とこれからを発信する連載企画「Breaking the Wall」。第1回は、アニメーション映画プロデューサーで新刊『思い出の修理工場』が話題の石井朋彦さんによる特別寄稿を掲載します。

歴史をふりかえれば、そうだから。

私は今、スタジオジブリで宮崎駿監督の新作に関わっています。

週2回、鈴木敏夫プロデューサーと宮崎駿監督が1〜2時間ほど語り合う場に同席させていただいています。

新型コロナウイルスの流行が深刻化し始めた当初、鈴木さんが発した言葉が、今も耳に残っています。 

「これは、年内は厳しいね。(終息まで)2年から、3年はかかるんじゃないかなぁ」

WHOが8月中旬の会見で「2年未満で終息するという希望を持っている」と発表する5ヵ月以上前のことです。

新作の制作に集中し、自宅とスタジオの往復、近所のゴミ拾いを兼ねた散歩のほか、外出も外食もしない宮崎さんは「僕は、普段どおりの生活を続けますよ」と答えていました。

宮崎駿監督〔PHOTO〕gettyimages
 

先日、鈴木さんにこう問いました。

「なぜ、あんなに早い時期に、長期化するって断言できたんですか?」

「だって、歴史をふりかえれば、そうだから」