映画は人の心を動かすことができる

そんなとき、バングラデシュでNGO活動を行う人からストリートチルドレンを追った自主制作映画を日本で上映できないかと相談を受けた。映画配給のノウハウなど皆無だったなか、多くの人の助けを借りて2009年、『アリ地獄のような街』の公開にこぎつけた。

「どうしたら世界の問題を感じてもらえるか。問いの答えをもらったような気がしました。心が動けば人は行動できる。映画は泣いたり笑ったり、悲しんだり、“感じる”ことができるメディア。人の心を動かすという点で、それはいい選択肢だと確信したんです」

以来、関根さんは世界中の映画祭に足を運び、社会問題を扱う映画を買い付け、配給してきた。力を入れているのが自主上映会で、自治体や学校、レストランや個人に映画を貸し出し、自由な形で上映してもらう。

「強く勧めているのが上映後のディスカッション。映画って、観終わった直後は何かしら考えますが、映画館を出た瞬間に現実の世界に戻ってしまう。でも誰かと感想を話すと、思いもよらない考え方に出会えたり、解決方法を見出せたりする。

その時間や場が社会課題を解決する“装置”になりうると思うんです。もうひとつはコミュニティづくり。映画を観て何かを感じた人同士が繋がって、新しい行動が生まれたことも何度もありました」

上映後に主催者から届くアンケートには参加者たちのその後の活動を伝えてくれるものが多い。人の心が動き、行動が生まれている。その変化の波が、確かに伝わってくる。それがまた、関根さんの行動力の源になる。