SDGsはグローバルな共通目標だけれど、国や地域によって課題は違います。それは経済的、社会的な格差だけでなく、伝統、文化、風土といった暮らしの環境にも影響されるもの。日本にフィットする持続可能な社会とは? 日本人の私たちができることは?

今回、お話を伺ったのは、社会課題の解決を目的とした映画だけを配給する映画配給会社・ユナイテッドピープルの代表を務める関根健次さん。関根さんが信じ、伝え続けるのは、「世界を変える“感動のパワー”」でした。

「世界をよりよくしたい」
その一心で、伝え続けていく。

初めて配給を手がけた映画『アリ地獄のような街』の舞台となったバングラデシュのダッカを視察。できる限り自分の目で見て、世界で何が起こっているかを“感じ”たい。

気候変動や差別、貧困、戦争。日本に「社会課題を解決するための映画」だけを扱う映画配給会社があるのを知っているだろうか。ユナイテッドピープルの代表を務める関根健次さんは44歳。IT関連の企業を数社経て2009年、映画配給事業を始めた。その胸に常にあるのは「世界をよりよくしたい」という、熱くたぎるような想いだ。はじまりはアメリカの大学卒業後に旅したパレスチナ自治区ガザ地区での出来事だった。

「旅の途中、13歳の少年に何気なく『君の夢は何?』と尋ねたら、彼は『僕の夢は爆弾の開発者になって、できるだけ多くの敵を殺してやることなんだ』と答えたんです。彼はイスラエル軍の兵士に親族を撃ち殺された子どもでした。

まだあどけない子どもが、子どもらしい夢を描くことが許されない世界がある。そんな現実を前に、自分は何もできない。そのときの気持ちが、その後の人生を変える“夢の種”をくれたんです」

IT企業で経験を積んだ関根さんは2002年に独立。翌年、ネットショッピングで貯めたポイントをNGO団体に寄付できるウェブサイト「イーココロ!」を立ち上げた。

「戦争や紛争、飢餓や貧困がない世界を作っていきたい。そのために少しでも多くの人に世界の現実を伝えたいと思って事業を続けていました。でも、まだ何かが欠けている。それは人が行動しようと思う“きっかけ”です。

僕がガザ地区で体験したような、世界で起きている問題をリアルに知って感じること。それができたら、より多くの人が行動を起こすきっかけを作れるんじゃないかって」