2020.09.12
# 韓国

2021年、韓国はいよいよ〈生活の豊かさ〉で「日本を追い抜く」

数字は明白に語っている
高安 雄一 プロフィール

一人当たりGDPの弱点

なお以上の数値は我々が普段目にする為替レートにより測られた一人当たりGDPであるが、この一人当たりGDPでは、それから得られる物質的な幸福度を十分に把握できないと考えられる。

為替レートは投機などの影響により、通貨が過大あるいは過小評価されることが少なくない。通貨が過小評価されるとドル建ての一人当たりGDPが大きく低下してしまう。例えば、通貨危機発生直後の1998年のウォン・ドルレートは1ドル=1403ウォンとなり、前年の950から大きくウォンが減価した。

〔PHOTO〕iStock
 

その結果、韓国の一人当たりGDPは1万ドルをあっさりと割り込み前年より33%も下落したのである。しかしこれは通貨危機の影響でウォンが過小評価された結果であり、ウォン建ての一人当たりGDPにはあまり変化がなく、韓国に住む人々の購買力が低下したわけではなかった。

そして現在においてもウォンは過小評価されており、この要因として輸出を促すため韓国がウォン安となるよう為替介入を通じて誘導してきたことなどが挙げられる。一方、日本円は過小評価されているわけではないので、日本と韓国の一人当たりGDPの差が、実際よりも拡大して見えている。

各国の通貨が異なるため、国際比較には為替レートでドルに換算するしかないのだが、市場で決まる為替レートで換算した一人当たりGDPにはこのような弱点がある。

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