無罪判決の翌日、自宅に戻った張玉環 photo by Gettyimages

冤罪超大国・中国、最長の27年近く服役して無罪放免となった男の話

誤審、でっち上げは山ほどある

事件の概要

進賢県は江西省の省都・南昌市の管轄下にあり、南昌市から東南へ約60キロメートルに所在し、中国最大の淡水湖である鄱陽湖の南岸に位置する。その規模は面積1971平方キロメートル、人口約85万人であり、面積は日本の大阪府(1905平方キロメートル)とほぼ同じだが、人口は大阪府(882万人)の10分の1に過ぎない。

進賢県で今から27年前の1993年に事件が発生したのは、「県城(県庁所在地)」から西へ10キロメートル程の鳳嶺郷にある宮圳村委員会鎮頭嶺の張家村であった。なお、鳳嶺郷は2001年末に鎮・郷の廃置分合により民和鎮へ編入されたので、張家村は2020年の現時点では進賢県民和鎮に所属している。

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起きたのは殺人事件だった。それは11月24日に2人の男子児童が失踪したことから始まった。行方不明になったのは張某栄(6歳)と張某偉(4歳)の2人だった。彼らの失踪によって日頃は静かな張家村の平穏は破られて大騒ぎとなったが、翌25日に2人の遺体は張家村から北へ2キロメートルに位置する「下馬塘水庫」という名の貯水池から発見されたのだった。

 

2人の遺体には公安警察による検視が行われたが、その後に発行された法医学鑑定書には、2人は死亡後に貯水池へ投げ込まれたものであり、6歳の張某栄は麻縄で首を絞められことによる窒息死、4歳の張某偉は頸部圧迫による窒息死と、それぞれの死因が記載されていた。