体重減少はなぜ起こるのか?

そして気がついたのは「運動量」です、もともとALSが進行して歩けなくなり始めていたうえに、摘出手術をしたためにほとんどベッドにいて移動も車椅子が中心になって、唯一の有酸素運動が廊下でのストレッチだと「おなかがすかなくなる」のです。というよりも、脳みそが運動していないからお腹がすかない判断を勝手にする感じです。

実はもう1つ思っていたのですが、ALSに罹患してからというもの、何か運動をしようとするたびに脳みそが「ヤメロ! ヤメロ!」とストップをかけてくるような気がしてならないのです、脳みそ自体から運動を抑制するような信号が出てきて、それに反抗すると汗びっしょりになるのです。何度もかみさんにその状態を見せていますし、そのことを周囲に話しているのですが、私だけなのでしょうか? 成り行きにまかせていたら何もする気が起きなくなりそうになるのです。

もちろん、そんな指令を聞く気は毛頭もないのですが、かなりの精神戦になっていたのは事実ですし消耗もしました、出来なくなろうとする自分に対していらついてしまうのです。

食生活もしっかりと考えていかなければならないかなと思いました。筋肉を作ると言われている蛋白質をしっかりと取る事はもちろんのこと、バランスよく栄養を摂取しようと考えました。そして腹八分目を心がける。お腹がいっぱいだと体バランスが悪くなるような気がするからです。私はお腹いっぱい10分目くらい食べて幸せを感じるタイプだったので、ここは課題でした。

しっかりバランスよく食べる、でも食べすぎない。それは意外と難しい。たんぱく質をしっかりとるためにオムライスは津久井家の定番に 写真提供/津久井教生
オムライスと組み合わせてよく食べたホンビノス貝のスープ 写真提供/津久井教生
たんぱく質を摂るために肉も頑張って食べました。この量は家族分ですが… 写真提供/津久井教生

「あぁ~っ、夜のこってりラーメンや、チーズマシマシのピザを控えなければ……
今日はクリスマスイブなのにチキンのバカ食いも駄目なのかぁ~っ、悲しすぎる~~っ!」

12月に退院した時に口に出して嘆いてしまいました。しかし本当に体重維持は大変です。現在は58キロ台を維持していますが、しっかりと食べながらも腹8分目以下というふたつを心がけ、なんとか続けています。とにかく量を食べれば良いという事ではないようです。しかし体重減少は食い止めなければなりません。自分の体調と体に合った食物をとるように心がけて、現在も模索し続けています。

【「ALSと生きる」次回は9月26日(土)公開予定です】

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津久井さんが2019年8月から放送を開始した「怖い話」朗読動画はこちら↓