日本の都市の中でもSDGsの推進度が高いと評価されている街、京都。それは千年の都が育んできた文化遺産と美しい自然景観を保持するために、産官学が連携し、市民と一体になって取り組んできた努力とパートナーシップによるところが大きい。

今回は、伝統と歴史が息づく街を歩き、美味しいグルメを楽しみながら持続可能な社会を目指せるスポットを紹介します。また、記事の後半では、「祇園祭」に見る持続可能性について、京都大学大学院の浅利美鈴准教授にお話を伺いました。

ダリケー
Dari K

インドネシア産のカカオを使用した京都発のクラフトチョコレートショップ「Dari K」の「カカオ・バル」¥1250(3個入り)。「バル」は、インドネシア語で「新しい」を意味し、ピュアなカカオの味を追究していた創業当初の味わいに近い。濃厚なカカオのガナッシュの周りにカカオ豆を粗く砕いたカカオニブがまぶされており、カカオ豆の濃厚な香りとザクザクとした食感が味わえる。木箱入り。

実は世界有数の産地であるインドネシアのカカオが、日本に輸入されていなかったのはなぜか。調べてみると、発酵させていない低品質な生カカオであることが理由だった。では、なぜカカオ農家は発酵させずに市場に出すのか。さらに突き詰めてみると、発酵させる手間をかけても買い取り価格がほぼ変わらないという現状があった。

カカオ農家のやりがいと収入を向上させたチョコレートショップ。京都駅地下「ポルタ」での取り扱いや「大丸東京」などにも店舗がある。

その社会構造を変えたい、カカオ農家がきちんと収入を得るために出口を確保したい。ならば自分がその出口になろうと考えたのが、「Dari K」の始まり。

店の奥に工房があり、カカオ豆を焙煎するところから手がけている。インドネシア、スラウェシ島のカカオ農家の人々に品質を高める技術指導を行い、適正な値段で買い取ることで所得向上に貢献。それを自社で加工し、おいしいチョコレートに仕上げて販売。

まずは発酵させたカカオ豆の販売先を探したけれど、日本の商社や菓子メーカーからは門前払い。そこで自ら輸入し、そのカカオで作った香り高いチョコレートを販売することにした。といっても、カカオ豆がチョコレートになるまでには専門的な工程がたくさんあり、いきなりチョコレートを作れるわけもない。中古のオーブンや市販の機械を駆使し、温度や時間別に焙煎を試してはペーストにして、とすべては手探りで始まった。

自分好みにローストしたい人のために「生カカオ豆」や「手作りチョコレート・キット」なども販売。「ロースト・カカオ豆」は、酒のつまみにも最適。

「今思うと、専門知識がなかったことで、純粋にカカオの味を追究できた。それがうちの特徴になりました」と代表の吉野慶一さん。出店先には、有名パティシエの多い東京ではなく、発信力の強い場所ということで、京都を選んだ。

新作は、「カカオが香る生チョコレート」2500円。契約農家から届いたばかりのフレッシュなカカオの香ばしさと爽やかな酸味を残した味わい。

1000年を超える歴史があり、だからこそ新しいものを受け入れるマインドが根付いていたことも幸いし、フェアトレードを超えたパートナーシップビジネスを実現。10年が経った今では京都市に「これからの1000年を紡ぐ企業」として、行政と連携する機会も多い。

Dari K
京都市北区紫竹西高縄町72-2
☎075-494-0525
営業時間:11:00~17:00
定休日:火
www.dari-k.com

Ogawa Coffee
小川珈琲本店

昭和27年創業の、京都を代表するコーヒー製造・販売会社の直営店。おいしいコーヒーを提供し続けるため、「一杯のコーヒーからできること」をキーワードに、地球の自然環境を守る活動や、持続可能な社会創出につながるさまざまな活動にも取り組んでいる。

バードフレンドリー®や有機JASなどの認証コーヒー、高品質なコーヒーの生産でオランウータンの生息環境や生産者の生活の向上を目指す「オランウータンコーヒー」などを取り扱っている。また、コーヒー生産地の女性を救う活動団体「Ground for Health」を支援したり、低炭素社会実現に向けた「Fun to Share」にも参加。

小川珈琲本店
京都市右京区西京極北庄境町75
☎075-313-7334
営業時間:7:00~21:00
定休日:なし
www.oc-ogawa.co.jp/