日本の都市の中でもSDGsの推進度が高いと評価されている街、京都。それは千年の都が育んできた文化遺産と美しい自然景観を保持するために、産官学が連携し、市民と一体になって取り組んできた努力とパートナーシップによるところが大きいと言われています。今回は、伝統と歴史が息づく街を歩き、ショッピングや体験を通して持続可能な社会を目指せるスポットを紹介します。

about Kyoto City

豊かな森林に囲まれた盆地である京都は、自然と共生し、独自のコミュニティを築くことで街を発展させてきた。特有の林業によって杣山を育成したり、社寺林とすることで神社、仏閣などの歴史的建造物と合わせて守ってきたり。東京遷都後の明治時代には、琵琶湖疏水の建設によって産業を復興させ、街に活力をもたらした。

今も京都市では、持続可能な魅力あふれる京都の実現に向け、市民と行政が一体となって、理念や方向性が一致するSDGsを実践。思い切った環境政策が経済や社会にも好影響を及ぼしている。写真は哲学の道。散歩道は琵琶湖疏水に沿っている。

Kyoto Pellet Machiya Hinoko
京都ペレット町家ヒノコ

1階と2階にある台所の給湯やパネルヒーター、和室の床暖房にも、ペレットボイラーを利用。店内には、文具やアロマグッズ、ハンガーなど広葉樹から針葉樹まで、さまざまな材で作られた生活雑貨が所狭しと並んでいる。

豊かな森林に恵まれた日本ではかつて、薪炭を中心とした木質燃料が暮らしを支え、身近にある木々から家や生活道具を作ってきた。ところが石油エネルギーへの転換に伴い、暮らしのなかで森の資源を使うことが少なくなり、人の手が入らなくなった現代の日本の森林は、さまざまな問題を抱えている。

市域の74%を森林が占める京都でも、森林の活性が衰え、生物多様性は損なわれ、近年では、特に土砂災害の危険性は増大しているとか。

何度も乾燥と木を細かく砕いていく破砕を繰り返し、熱を加えて圧縮し、小さな円柱状に固めて作る。

そこで森林資源を活用すべく、かつては林業で栄え、数寄屋建築に用いられる北山杉で有名な京北に誕生したのが、地元の間伐材や商品価値の低い木から、木質ペレット「京都ペレット」を製造するプラント「森の力京都」だ。

「京都ペレット」は化学物質や添加物を一切使わず、木そのものが持つ成分「リグニン」だけで固めているので安全。店舗では、ペレットストーブも見学できる。

原油価格が高騰するなか、木質燃料は改めて見直されてきており、木の粉を圧縮したペレットを燃料に使うストーブは薪を使う暖炉よりも手軽に利用できると好評を博している。また、安全で燃料価格が安定しているため、暖房や給湯のボイラーとしても導入されることが増えてきているそう。あたたかな炎は、暮らしにゆったりとした時間をもたらしてくれるという利点もある。

京都の里山を守るために誕生した、木質燃料のアンテナショップ。大正時代の町家を利用した店舗も魅力。

「京都ペレット」は、京都の森と町をつなぐアンテナショップとしてオープンした「京都ペレット町家ヒノコ」を始めとした各地で販売されている。市内の中心部にある店では、京都の里山で採れる草木のお茶などを提供するカフェも併設しており、野菜や全国からセレクトした木製品、オリジナルの火鉢なども販売されている。

京都ペレット町家ヒノコ
京都市中京区寺町通二条下ル榎木町98-7
☎075-241-6038
営業時間:10:00~19:00
定休日:水
www.hibana.co.jp/kyoto-pellet