# 社長の風景 # 週刊現代

「バスクリン」社長が考察する、入浴剤が日本人に大ウケした理由

三枚堂社長にインタビュー

入浴剤や育毛剤を製造・販売する株式会社バスクリンを取材した。入浴剤の誕生は明治30年のこと。きっかけは、バスクリンのルーツとなった企業「津村順天堂」の社員が薬の製造時に出た材料の余りを持ち帰り、試しに風呂に入れたこと。普段より体が温まり、あせもも改善したため、銭湯向けに製品化すると大ヒットにつながった。ロングセラーとなった秘訣は何だったのか。親会社・アース製薬出身の三枚堂正悟社長(57歳)に話を聞いた。

日本人の「入浴文化」

日本人は毎朝起きて顔を洗って歯を磨くことと同様に、毎晩、温かいお湯に浸かる生活習慣があります。これは、世界的には特異な文化で、水資源が豊か、かつ各地に温泉もあるからこそ根付いたものでしょう。

photo by iStock

日本人は古来から、温かいお湯に浸かると疲労が回復し、健康が維持増進されることを知っていました。毎日、湯に浸かるからこそ、その時間をより充実したものにしたい。入浴剤が生まれたのは自然な流れだったと思います。

入浴剤がロングセラーになったのは、効果が実感しやすいことと、高度経済成長の波に乗ったことが大きいです。お湯に入れた瞬間、色が変わっていい香りがするなど、五感で楽しめる商品に仕上げたことも成功要因でした。

もうひとつ重要だったのは、入浴の効能を明確にしたことでしょう。当社の先輩たちは、試行錯誤を繰り返し、エビデンスを積み重ねてきました。

 

例えば、炭酸ガス浴は温浴効果を高めて血行を促進し、肩こりや腰痛が緩和します。生薬を配合したお湯に入ると、入浴後もぬくぬくとした時間が長く続きます。入浴で就寝前に体温を上げれば、ぐっすり眠れて疲労が回復します。

入浴にこれだけの効能があるからこそ、いろいろな文化が欧米化しても、なかなか「シャワーで充分」というふうにはならないのだと思います。

「目標は高く置け」

学生時代は、体育くらいしか得意科目がない子でした(笑)。私を成長させてくれたのもサッカー部です。