貧乏旅をしながら世界一周した様子を綴ったエッセイ『ブラを捨て旅に出よう』の著者・歩りえこさんに、世界各国で出会った男性とのエピソードを綴っていただいているFRaU web連載「世界94カ国で出会った男たち」(毎月2回更新)。

今回お伝えするのは、地中海に浮かぶ島国「キプロス共和国」での出来事。実はこの国、島が南側と北側で分断されていて、その南側が「キプロス共和国」、北側が「キプロス・トルコ共和国」となっているのです。そんな世界でも珍しい国で出会った男性とは?

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幼少期以来の「モテ期」到来!?

10年前、28歳の頃……キプロス共和国を旅した。キプロス共和国というと日本ではあまり馴染みのない国だが、古代ローマ時代から続く歴史を持ち、地中海に浮かぶ島国でヨーロッパのセレブが毎年訪れる定番の南国リゾート地だ。

キプロス共和国はヨーロッパセレブが集うリゾート地。写真提供/歩りえこ

パフォス国際空港に着いて、キプロス屈指のリゾート地であるコーラルベイに向かおうと12番線の公共バスに乗ると……乗客は私と80歳位のツルツル頭のおじいちゃん一人だった。地図を片手に、降車するバス停を確認しやすいようにと運転手に一番近い席に座ることにした。

初めての国にドキマギしながらバスに揺られていると、40代位の小太り男性運転手が信号待ちで声をかけてきた。「どこで降りるの?後でビール飲みに行かない?」

ちょ、え⁉︎ 公共バスの運転手が堂々と乗客を口説くの? 驚いた私は思わずおじいちゃんのほうを見ると……おじいちゃんは完全に爆睡中。「予定があるの」と、無難な回答をすると、「じゃあ明日は?仕事休んでもいいよ」と言ってきた。いやいや、自由すぎる(笑)。

ナンパ運転手のバスを降り、安宿にチェックインして鍵を受け取ると……50代位のフロントのおじさんが「今夜飲みに行かない?」と慣れた感じのウインクをしながら誘ってきた。愛想笑いしながらスルーして部屋に荷物を置くと、コーラルベイの海岸沿いへと一人繰り出した。

すると、男性とすれ違う度に「一緒にコーヒー飲みに行かない?」「ビールご馳走するよ」などと、ひっきりなしに声をかけられる。17歳位の少年もいれば、80歳位のヨボヨボじいちゃんまで老若問わず声をかけてくる。

これは……幼稚園児以来のモテ期到来か!?

と、思ったのも束の間、キプロス共和国はラテンの国。イタリアなどでもそうだったが、男性が女性に対して口説くのは挨拶替わりで、もし本当に応じてくれたらラッキーというノリらしい。つまり、女性なら誰でもいいってことだ(笑)。ラテン気質の典型は感情表現がストレートなこと……そして、性欲が強いイメージだ。

コーラルベイにはたくさんのヨットやボートが停泊している。写真提供/歩りえこ