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ドラマ『アンサング・シンデレラ』 を観て、薬剤師が涙したワケ

普通の人には見えない「薬剤師」の本質

「薬剤師なのに心臓マッサージなんてありえない!」「患者の自宅にまで押しかけるのは出しゃばりすぎ!」――石原さとみ、田中圭、西野七瀬など豪華なキャスト陣で放映中の医療ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジテレビ系・木曜22時)に対して、ネットやSNS上に批判の声が集まっている。

医師や看護師を差し置いて、患者と直接向き合う主人公の姿が、特に医療関係者から「薬剤師の範疇を超えている」「越権行為」との酷評を招いているようだ。

たしかに医師や看護師と異なり、患者と直に接することが少ないイメージの薬剤師。ゆえに、どういう職業なのかもよくわからないので、事の真相がつかみにくい。実際のところはどうなのだろうか?

薬局や薬剤師のサポート事業を展開する「株式会社カケハシ」には、病院や調剤薬局で薬剤師として勤務した経験を持つ社員がいる。彼らにドラマの感想を聞いてみたところ、返ってきたのは意外な反応だった。

取材・文/堀尾大悟

知っているようで知らない「薬剤師」の仕事

7月16日に放映開始された「アンサング・シンデレラ」。総合病院の薬剤部を舞台にした“史上初・薬剤師が主人公”の医療ドラマで、本日最終回の放送が予定されている。

主人公の葵みどり(石原さとみ)を中心に、さまざまな病気を抱える患者と薬を通して接する病院薬剤師の奮闘や人間模様が描かれている。

FOD「アンサング・シンデレラ」公式ページより
 

薬剤師が主人公、といわれても、そもそも「薬剤師」という職業自体、知っているようで実はあまり知らない。「薬局にいて薬を渡す人でしょ?」というイメージを持つ人も少なくないのではないだろうか。

薬剤師は、病気の治療や日常生活の健康維持に欠かせない「薬」を扱う医療専門職。医師の処方箋を受け取ってから、その処方内容を、患者の症状や薬歴(服薬の履歴)などとも照らし合わせながらチェック(処方鑑査)し、調剤する。

薬剤師がさまざまな観点から安全性や効能をチェックして、初めて私たちの手に薬が渡される。薬の処方には薬剤師の専門的な知見が欠かせないのだ。

薬剤師が勤務する現場は、主に病院、調剤薬局、ドラッグストア。ドラマは総合病院で働く病院薬剤師をメインに描かれているが、調剤薬局から病院薬剤師に転じた刈谷奈緒子(桜井ユキ)、ドラッグストアに勤務し後に病院薬剤師に転じる小野塚綾(成田凌)なども登場する。

■調剤の流れ