9月14日 アメリカの海洋学者、ディーツ誕生(1914年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1914年の今日、アメリカの海洋学者で、特に日本近海の研究で知られたロバート・シンクレア・ディーツ(Robert Sinclair Dietz、1914-1995)が誕生しました。

ロバート・シンクレア・ディーツ

アメリカ・ニュージャージー州の小さな町ウェストフィールド(Westfield)で土木技師の息子として生まれた彼は、イリノイ大学に進学します。故郷からおよそ1000kmも離れたこの地で学んだ彼は、化学を副専攻としつつ地学の博士号を手にしました。

足掛け9年の大学生活で、彼はカリフォルニアにあるスクリプス海洋研究所(Scripps Institution of Oceanography:SIO)にも足しげく通いました。世界最古かつ最大規模の海洋研究所であるこの研究所で、博士号取得のための研究などを進めたのです。

 

しかし博士号取得後、ディーツはアメリカ海軍のパイロットとして第二次世界大戦に従軍しなければなりませんでした。無事に戦乱を生き抜いた彼は、戦後も民間技術者として軍に残り、世界中で研究を続けます。

特に1950年代中盤に来日した際の研究は、彼の業績の中でも最も大きいものの一つに数えられます。彼はロシアとアメリカの間のアリューシャン列島からハワイ諸島にかけての海底に山々が連なり、その長さが2500kmに及ぶことを発見しました。そして、当時日本史に興味があったことから、これを「天皇海山群」と名付けました。

天皇海山群は、その多くが山頂が平坦で「ギヨー」と呼ばれる種類に該当すること、白亜紀後期以降に大きな変動が見られなかったことなどが確認されています。さらに、ハワイ諸島近辺での火山活動にも影響を与えたとされています。ディーツによって、そうした海山たちに歴代天皇の名前がつけられたのです。

この発見をきっかけにディーツは、太平洋や大西洋の海底は中央海嶺から絶えずわき出しており、拡大し続けているという「海底拡大説」を提唱したのです。これは当時、多くの研究者から受け入れられませんでしたが後に「プレートテクトニクス」に発展したのです。

その他にもディーツは、スイスの探検家オーギュスト・ピカール(Auguste Piccard、1884-1962)による海底1万mの潜水の援助でも活躍していました。また隕石についても造詣が深く、ニッケルの産地と隕石衝突の関係についての研究でも知られています。

『太平洋 その深層で起こっていること』
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