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「10万円」給付金、なぜか「もらえなかった人たち」のヤバすぎる真実

ベーシックインカムの「落とし穴」が…
竹信 三恵子 プロフィール

在留資格がない「外国人」の苦闘

こうした排除にもっとも逢いやすく、今回のコロナ禍で極めて困難な立場に立たされているのが、在留資格のない外国人だ。

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在留資格があれば住民票を作ることでき、今回の給付金も受けられる。だが、「緊急アクション」が一般の人からの寄付を財源に生活困窮者向けに設けた「新型コロナ緊急支え合い基金」では、そこから漏れて困窮する、在留資格なしの外国人が、支給件数の8割近くを占めた。

1980年代以来、日本政府は、さまざまな方法で外国人労働力を導入してきた。留学生バイト、日系2世の配偶者や日系3世、技能実習生、国家戦略特区の家事支援人材など、いずれも「帰国が前提」なのは共通している。だが、人間である限り、住んでいれば「生活」が生まれ、家族もできることがある。

地方自治法は10条で「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする」とされ、「住民」は、「その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利」を有するとされている。

これにもとづき、かつては外国人でも住んでいる実績があれば住民票をつくって「住所を有する者」になり、医療や社会保障など「役務の提供」を受けることが一般的だった。

ところが2012年に「在留カード」の制度ができてから、住んでいる実績があっても、たまたま仕事が途切れた時期に就労ビザが切れたりすると「仕事もないのにビザは出せない」として在留資格がなくなり、その結果、在留カードを持てず、それを理由に住民票をつくれない人が相次ぐようになった。

 

これらの外国人労働者たちは、いずれも日本の経済を支えるために呼び込まれ、働いてきた人たちだ。

「移住者と連帯する全国ネットワーク」の稲葉奈々子・上智大教授によると、その結果、日本に住み続けて子どもは大学まで行っているのに、親は在留資格がないまま医療や社会保障から排除され、こっそり働き続けざるをえない層が生み出されてきたという。

DVの例からもわかるように、「一律給付」には、除外されてしまいがちな困窮者を包摂する政治の判断や、それを促す人々の社会活動が必要だ。だが、それが意識されているとは言えない。BIの第3の死角である。