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中国政治の第一人者が語った、今こそ「中国史」を学び直すべき理由

一帯一路も中台関係も、歴史から学べる
新型コロナ・ウイルスの「震源地」とされ、香港や少数民族自治区での人権問題、アメリカとの「新冷戦」をめぐっても、世界の視線を集める現在の中国。そんな折、2004年~05年に刊行された全集、「中国の歴史〈全12巻〉」(講談社刊)が、講談社学術文庫として再刊されます。
このシリーズの執筆者の一人で、日本を代表するチャイナ・アナリストとして海外メディアでもしばしば論文が引用される天児慧氏は、「いまの中国を知るためには、やはり中国の歴史を深く学び直す必要がある」と言います。

中国史を知らずして、中国は語れない

いやはや、すごい「中国通史」のシリーズだったものだ!

自分も第11巻の執筆者であるのだが、そのことは棚に上げて、今回改めて再読してみてまず痛感させられた。

講談社学術文庫「中国の歴史」全12巻
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本シリーズはそれぞれの巻の著者が、積み重ねてきた膨大な資料の収集・分析など研究の蓄積を踏まえ、新しい問題意識や斬新なアプローチを練りこみながら、各自の担当した時代に向き合ってきた。

既存の定説を踏まえながらもそれに引き込まれることなく、新しい資料もふんだんに活用し、細部にわたって事実関係を再構築する。しかも、それらを拡散させることなく有機的に関連付け、時代の広がりと中身の濃い多様な歴史を描き切った力作ぞろいと言っても言い過ぎではないだろう。 

「中国を知らずして世界のことは語れない」というのは本シリーズの最初の刊行時に帯を飾ったコピーである。あれから15年を経た今日、今や中国を知らなくても「中国を抜きにして世界は語れない」というほどに、中国は一段と重みを増している。

とてつもなく巨大な領土で織りなされた長きにわたる歴史のドラマ、そこから溢れ出る人々の間に育くまれた多様な文化と思想どのように把握していけば「中国を知る」ことになるのだろうか。逆に言うならば、4000年も前からの中国の歴史を知ろうとするこの意味は何か。