パンデミック後の世界で「ヤバいインフレ」が確実に起きるワケ

食糧確保が深刻になってくる
大原 浩 プロフィール

供給が止まる

確かに、日本を始めとする先進国の企業が、8月24日の記事「中国進出は『地獄』…日本企業は失敗を認めてすぐに撤退すべし!」で述べたような状況になっても、なかなか中国に見切りをつけない理由もわからないではない。大陸中国のような大規模な「薄利多売」の「ディスカウント戦略」を実行可能な国は他に見当たらないのである。

また、いわゆるグローバル企業は、低賃金国で生産し、「最終製品価格を引き下げる以上に仕入れ価格を引き下げる」ことによって大きな利潤を生んできた。言ってみれば先進国の勤労者が受け取るはずであった利益を、発展途上国の勤労者たちと自分たちで分配(グローバル企業の取り分は巨大だ)していたのである。

このようなからくりでグローバル企業は成長してきたから、その「金の卵を産むニワトリ」との取引を継続したいのが本音だ。

しかし、前述の「中国進出は『地獄』…日本企業は失敗を認めてすぐに撤退すべし!」でも触れたように、今や先進国から「人類の敵」と名指しされている共産主義中国との取引を続けることは、将来、ナチスドイツとの取引同様の「黒歴史」になる。

また、媚中的言動を行う企業は、米国の経済制裁のターゲットにもなりかねない。

「政経分離」という言葉があるが、この言葉が有効なのは平時だけである。政治的な問題が起これば、「政経分離」などと言っていられないことは、米国が「対外(冷)戦争」で経済制裁をきわめて有効な手段として活用しているのを見ても明らかだろう。

結局、いわゆるグローバル企業がいくら渇望しても、第2次冷戦下での共産主義中国との取引の継続は難しいということだ。

 

結局、2019年5月29日の記事「世界経済低迷の最大原因・中国が退場すればデフレが終わる」で述べた内容がいよいよ現実のものになろうとしていると考えられる。

つまり、世界の市場は、冒頭の「3.供給が多い」が「4.供給が少ない」へと激変する可能性が高いということだ。