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日本のITが時代遅れになる根本原因はSIベンダーの言いなり体制

メインフレーム時代以来の強固な縦割り

日本のIT化が信じられないほど遅れていることを、コロナが暴露した。

なぜこうしたことになってしまうのか? その大きな理由として、政府や企業の情報システムが抱えた日本特有の問題がある。

発注側が評価能力をもたないため、SIベンダーのいいなりになり、古いシステムが温存されてしまうのだ。

日本ではSIerの役割が重要

日本のITシステムで重要な意味を持つのが、SIer(Systems Integrator)とよばれる業者だ。

この役割を知るには、コンピュータシステムの歴史を知っている必要がある。ごく簡単に要約しておこう。

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1980年代までの日本では、メインフレームやオフィスコンピュータが主流だった。メインフレームとは、大組織の基幹業務用などに使用される大型コンピュータ。オフィスコンピュータとは、中小企業の財務会計や給与計算を行うための小型のコンピュータだ。

1990年代にIT革命が起り、PC(パソコン)やワークステーション、サーバなどが使われるようになった。

ここで、ワークステーションは、PCよりも高性能のコンピュータ。サーバとは、ネットワーク上で、他のコンピュータ(クライアント)から要求や指示を受け、情報処理を行なうコンピュータだ。 データベースサーバ、Webサーバ、メールサーバなどがある。このシステムを「オープンシステム」と呼ぶ。

メインフレームの場合には、1社のみのハードウェアおよびソフトウェアで構成されることが多かった。それに対してオープンシステムでは、マルチベンダーとなる場合が多い。「ITベンダー」とは、企業が必要とする情報機器やソフトウェア、システム、サービスなどを販売する企業のことだ。

様々なベンダーのソフトウェアやハードウェアを統合する事業者のことを、システムインテグレーター(SIer)と呼ぶ。有力なSIerとして、富士通、日立製作所、NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、NEC、IBM、日鉄ソリューションズなどがある。

 

ITベンダーとSIベンダーとSIerの違いについて、明確な定義はない。経済産業省の『DXレポート』は、「ベンダー企業」という名称を用いている。