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習近平が大迷走…! いよいよ追い詰められた「中国経済」のヤバい末路

起死回生策の「一手」を打ち出したが…
福島 香織 プロフィール

李克強の「沈黙」

問題は、米国の中国デカップリングが、単なる産業チェーンからの排除にとどまらず、ドル基軸体制からの排除に至る可能性だ。

そう考えると、中国の双循環の成功の肝は人民元決裁圏の確立であり、米ドル基軸体制とは異なる人民元基軸が打ち立てられるか否かということになる。

これまでの人民元の信用の裏付けは、中国の外貨準備、つまり米ドルあってこその人民元だった。それは米ドルが圧倒的な経済シェアを支配し、米ドルの信用が圧倒的であるからだ。この構造の再構築を狙って中国が目下準備しているのが「デジタル人民元」「人民元仮想通貨」ということになる。

人民元がドル体制から「排除」される可能性も… photo/gettyimages
 

デジタル人民元がどれほどの利便性をもつものになるかは今のところ不明だが、中国政府が完璧に追跡可能で高速決済ができコストもほとんどかからないデジタル人民元を法定通貨として使用し始めれば、少なくとも米ドル基軸の中でこそ有効である金融制裁に苦しむ北朝鮮やイランなどの国家は飛びつくかもしれない。

興味深いのは、「双循環」がどういったものであるかについて、経済を主管するはずの李克強首相の言及がほとんどないことだ。

習近平は8月24日の経済社会領域専門家座談会で林毅夫や鄭永年ら中国を代表するトップエコノミストを招集したが、このとき李克強首相は臨席しなかった。この会議はあたかも習近平の9人の経済ブレーンのお披露目という印象があり、この座談会は第14次五か年計画の策定に習近平は李克強をかかわらせないという意思を見せるためのパフォーマンスではないか、といった憶測も一部で出ていた。

一般に、李克強は民営経済(特に中小零細企業)重視で改革開放推進派、習近平は「公有制主体は揺るがない」と強調し国有経済重視の計画経済回帰派という正反対の方向性を打ち出しているかのように見えるが、第14次五か年計画に李克強がどれほどかかわるかは、秋の五中全会の注目点の一つでもある。

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