アベノミクスはなぜ成功しなかったのか? その「シンプルな理由」

根本的な「見誤り」があった
加谷 珪一 プロフィール

日本経済の現状に対する基本認識の誤りが、経済政策が機能しない原因なのだとすると、次の政権の課題はハッキリしている。

もしアベノミクス路線が踏襲されるのであれば、大きな変化は発生しないので、株価もそれなりに推移するだろう。だが、賃金が上昇せず、家計がジワジワと苦しくなるという流れも継続するので、何もしなければ、国民生活はさらに悪化する可能性が高い。

 

現実問題として、肥大化した日銀のバランスシートを急に縮小することはできないので、量的緩和策は継続せざるを得ないだろう。だが、単なる輸出振興策やインバウンド需要の復活では、本当の意味での内需拡大にはつながらない。

コロナ危機が継続する中、日本人自身の消費を拡大させるためには、企業活動のデジタル化や労働者のスキルアップ支援などソフト面の強化が必要となる。感染が拡大しても仕事を継続できる労働者を増やすとともに、サービス業の生産性を向上させ、賃金を引き上げることが重要だ。