テレワークが可視化した「あの不快感」を解消するエッジAIとは何か

いまだ不完全なAIを徹底活用する方法

みんなが気になりはじめた「あのノイズ」

過去半年間で、日常の当たり前の光景となったものの1つに、テレワークがある。

テレワークの普及によって、パソコンの使い方もずいぶん変わってきた。同時に、テレワークにおいて感じる「不便さ」の性質や種類も、短期間で大きく変わってきたように思う。これまではさほど気にならなかったノイズや不自然なしぐさが、ビデオ会議などでは不満・不快に感じるという人が多いのではないか。

そうした不満や不快の解消に向けて現在、いくつもの企業が対応を始めている。その背景にあるのが、「エッジAI」の技術だ。パソコンの性能の活かし方が、時代に合わせて変わりはじめている。

「エッジAI」とはどういうものか? その点も紹介しながら、テレワークによってパソコンをはじめとするデジタル環境がどう変わりつつあるのか、探ってみることにしよう。

「キーボードのタイプ音」はなぜ、不快に感じるのか

ビデオ会議に参加する際に、気をつけなければいけないことがある。

なにもマナーの話をしたいわけではない。上座がどうとか上役が出るまで会議をオフにしてはいけないとか、そういったたぐいの話は正直、どうでもいい。

より重要になっているのは、会議中に「相手にノイズを伝えない」ことだ。代表的なものとして、「キーボードのタイプ音」が挙げられる。

【写真】相手に伝えたくないないノイズ「キーボードのタイプ音」会議中に相手に伝えたくないノイズとして、「キーボードのタイプ音」が挙げられる

会議中、メモのためにパソコンを使う人は多いだろう。だが、ビデオ会議でマイクをオンにしたままの状態でタイプすると、その音が参加する全員に響きわたってしまい、意外なほど耳障りに感じられるものだ。

リアルな会議室であれば、自分と両隣の人くらいにしか聞こえなかったはずのものが、マイクで拾われてみんなに拡散されるビデオ会議では、より迷惑な雑音として感じられるようになってしまった。画面を通してのミーティングでは、リアルに比べ、より注意して他者の発言に耳を傾けていることも、雑音が気になってしまう理由の1つだろう。

そのようなノイズを避けるため、「発言者以外はミュートにする」ことをルール化している企業・組織も少なくない。筆者も、毎日のようにウェブを通じての会見やインタビュー取材をおこなうが、ほんの少し前まで、ミュート機能を細かくオン/オフしながら、相手の迷惑にならないように心がけていた(ときどき操作を忘れて、「主催者側にミュートをかけられる」こともあったが……)。

ところが最近は、そのことをさほど気にしなくなった。もちろん「迷惑をかけてもいい」と開き直ったわけではないし、メモをキーボード入力からペンによる手書きに変えたわけでもない。

では何をしたか? ──「キーボードのノイズを除去するソフト」を導入したのだ。

その効果のほどは、次の動画を「聴いて」いただければ“一聴”瞭然だ。