石破・岸田は、こうして潰された…二階俊博の怖ろしき「深謀遠慮」

「流れ」を作る男
山田 厚俊 プロフィール

となれば、速やかに総裁選実施に踏み切るしかない。党員・党友投票も実施する総裁選は、約1ヵ月かかる。「政治空白を作ることは避ける」を大義に、両院議員総会で決める方法に舵を切った。

「緊急事態で、コロナ禍も収束していない中、政治が停滞してはならない」

二階派関係者はこう語る。大義を掲げるウラには、二階氏の深謀遠慮が見え隠れする。

「党員・党友の投票がある総裁選になれば、石破氏有利に働く。また、総裁選の期間、官房長官の職にある菅氏は身動きが取れなくなる」(同)

つまり、菅氏が出馬しやすく、他派閥も乗りやすい形を作る判断を下したのである。それまで見せていた「石破氏支援」の姿勢は、ここで完全にたち消えてしまったように見える。そして、いち早く二階氏は、菅氏出馬の流れを作る。

二階俊博氏〔PHOTO〕Gettyimages
 

すでに蚩尤は決した

菅氏は安倍首相辞意表明会見の翌日夜、二階氏、林幹雄幹事長代理、森山裕国対委員長と会い、「総裁選日程が決まったら、正式表明したい」と伝えた。これを受け二階氏は、菅氏を総裁選で支援する意向を伝えた。

ポスト安倍の最右翼と見られていた岸田氏は、今年4月の給付金問題で、ミソをつけた。収入減世帯に30万円給付という案を党内でまとめ、閣議決定まで行ったにもかかわらず、安倍首相は公明党の山口那津男代表に迫られ、国民1人当たり10万円給付に変更した。このことが決め手となり、安倍首相と麻生氏の間で、「非常時には向かない」との烙印を押されてしまったのだ。