石破・岸田は、こうして潰された…二階俊博の怖ろしき「深謀遠慮」

「流れ」を作る男
山田 厚俊 プロフィール

今年に入り、2021年9月30日で党総裁任期を終える安倍首相の後任、つまりポスト安倍が囁かれるようになり、二階氏は石破氏擁立を視野に入れながら、菅氏と連絡を密に取るようになる。二階派幹部は語る。

「菅氏と連携を取り、竹下派も巻き込み、石破氏を擁立する。現在の衆院議員の任期は2021年10月21日で、それまでに総選挙が実施される。世論を見れば石破人気がダントツで、任期が迫ってくれば党内も石破氏に傾くとの読みがあった」

しかしそれとともに二階氏は、菅氏擁立も視野に入れていた。

「長く安倍政権を支えてきた実績は間違いない。菅氏は麻生氏とソリが合わないことも、二階氏には好都合だった」(同)

つまり、仮に菅氏が首相になったとき、麻生氏の影響力を、ある程度制限できるということである。

かくして、二階氏と菅氏の関係は深まり、今年6月からは月イチの食事会も定例化した。

菅義偉氏〔PHOTO〕Gettyimages
 

その流れの中で、突然の安倍首相の辞意表明だった。8月28日午後2時2分、安倍首相は党本部を訪れ、二階氏と林幹雄幹事長代理に辞意を伝えた。

緊急入院による非常事態であまりにあわただしく、総理臨時代理を置くことにならなかったことが、二階氏にとって利が働いたということだろう。その場合、麻生氏がその任に就く。政治に混乱が生じるのは明らかで、しかも、二階氏を取り巻く環境が悪化する恐れもあったからだ。