シェアは92.2%!Google検索が世界一になった理由とは??

日常化したメディアとしての「プラットフォーム」
宇田川 敦史 プロフィール

SEOの端緒

この計算論的なランキング技術に対し、Webページ内の「対策」によってキーワード含有率などを高め、不当にランキングを上げようとする「ランキングスパム」が登場した。検索エンジンにトラフィック(アクセス数)が集まるようになるにつれて、Webサイトの「送り手」である制作者は、そのトラフィックを自分のサイトに誘導するため、Webページのテキストをいわば「ハッキング」しようとした。

たとえば、多くのアクセスを集めたいアダルトサイトなどが、その内容とは関係のない「車」というキーワードをページ内に大量に埋め込み、多く検索される「車」というクエリーの検索結果の上位にランキングさせるといった事例が報告されている[1]。これが、「SEO」の源流である。

SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、今ではWebページの制作者が検索エンジンの上位に表示させるためのマーケティング活動のことを指す。現在では「車」の例のような単純な「スパム」は通用せず、コンテンツの品質を地道に高めることが必須となっている。

 

世界を変えた二人の大学院生

しかし当時の各検索エンジンは、このようなスパムに対する対策を講じようとはしていたものの、それらはいずれもWebページの内部要因(キーワードの含有率や表示場所、文字数など)に依存していたため、すぐに「攻略」されてしまう状態だった。

ページ内部の要因は、その評価ロジックさえわかれば、ページの制作者自身が容易に変更できるからである。このことから、ページ「外部」の要因を組み合わせて、ランキングを適切に出力する技術が社会的に求められるようになっていった。

スタンフォード大学の大学院生であったラリー・ペイジセルゲイ・ブリンは、検索エンジンのランキング評価ロジックを、内部要因から外部要因に転回させ、検索結果のユーザー満足とスパムの排除を同時に果たす「PageRank」というアイディアを提示し、この環境にイノベーションを起こした。そしてこのPageRankを実現した検索エンジンがGoogleなのであった。

ラリー・ペイジ(写真左)とセルゲイ・ブリン(同右)(Photo by gettyimages )

[1]        Battelle, J. (2005=2006) The search: how Google and its rivals rewrote the rules of business and transformed our culture. Portfolio. (中谷和男 (訳) 『ザ・サーチ : グーグルが世界を変えた』 日経BP社)