アベノミクスの「真実」…次の政権に「円安」を期待しないほうがいいワケ

ここまで起きていたことを検証すると…
唐鎌 大輔 プロフィール

為替相場は常に「相手がある話」

もちろん、為替相場は様々な要因で揺れ動く。上述の論点は2012年12月以降の円安の一部を説明するものでしかないだろう。だが、アベノミクスの幕開けとなった円安・ドル高への反転があまりにも鮮烈だったことから、レジームチェンジとともに繰り出される経済政策(とりわけ金融政策)によって再び円安・ドル高相場が再来するのではないかと期待する向きも少なからず存在しかねない。

しかし、現実はそう単純ではない。

 

為替相場は常に「相手がある話」であり、第二次安倍政権発足直後はその「相手」の事情がたまたま円安方向に傾斜しており、それが政権の思惑や世の円安待望論と合致したのだという客観的な理解を持つべきである。さもなくば、次期政権に対して無為な失望を抱きかねない。

日本社会は窮地に追い込まれると「起死回生の妙手」のようなものがにわかに取り沙汰され、それに皆が飛びつき、いつの間にかそれを皆が忘れてしまうということが稀に起きる(直近では9月入学の話がそれに近い)。

「無為な失望」が苦し紛れの「起死回生の妙手」を求める空気に繋がらないように、7年8か月前の状況を極力、客観的に理解するように努め、新政権の誕生を迎えたい。