アベノミクスの「真実」…次の政権に「円安」を期待しないほうがいいワケ

ここまで起きていたことを検証すると…
唐鎌 大輔 プロフィール

米国と欧州

2013年12月には実際にテーパリングをスタートし、2014年10月にはQEが正式に終了、2015年12月には9年半ぶりの利上げに漕ぎつけている。この2013年から2015年の期間が最も円安・ドル高の勢いが凄まじかった期間であることは偶然ではない。

ドルインデックスで見ても、2014年6月から本格的なドル高局面が始まっている。安倍政権前期に見られた強烈な円安相場は「世界的なドル高相場の一環」というのが一義的な理解になるはずである(以下図)。

ドル/円とドルインデックスの推移
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なお、欧州に目を向ければ、2013年以降、欧州債務危機が収束傾向にあったという事実も見逃せない。

2009年から2012年まで金融市場は断続的に欧州債務危機の進捗を横目に神経質な時間帯が続いていた。もちろん、2013年にはキプロスの預金封鎖、2015年半ばにかけてはギリシャのユーロ圏離脱騒動が発生するなど「残り火」も見られたが、「ユーロ圏が崩壊するかもしれない」という得も言われぬ恐怖感は2011年冬をピークに収束しつつあった。

こうした状況下、「リスクオフの円買い」が発生するような材料も少しずつ乏しくなりつつあったという事実は認識したい。