新たな名作がここに生まれた…「わたナギ」ブームを構成した7つの要素

これぞハッピーエンド

最終回の世帯視聴率は19.6%

TBSの連続ドラマ『私の家政夫ナギサさん』が9月1日、全9話の放送を終えた。主人公で28歳の製薬会社MR・相原メイ(多部未華子、31)と50歳のスーパー家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋、48)は22歳の年齢差をものともせずに結ばれ、ハッピーエンドとなった。

最終回の世帯視聴率は19.6%だったので、全話の平均は15.0%になり、名作として語り継がれている同じTBSの『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)の同14.5%を越えた(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。新しい名作が生まれた。

どうして視聴者は熱烈なまでにこのドラマを支持したのだろう? その理由を考えてみたい。

TBS『私の家政夫ナギサさん』HPより

(1)骨太だったテーマ

軽くて明るいタッチのドラマだったが、テーマは骨太で、それは結婚に関する固定概念からの解放だったに違いない。

第1話でメイは家政夫として自宅にやって来たナギサを「おじさん」と呼び、忌み嫌った。ナギサを雇ってくれた妹の唯(趣里、29)は家事代行の利便性を説いたが、「必要ない」の一点張り。男性のナギサが家事を仕事に選んだこと自体にも疑問を呈した。

もっとも、やがてメイはナギサの全てを受け入れ、第8話のラストでプロポーズしたのはご存じの通り。

「結婚しませんか!」

家事を全てやってくれる便利な存在だったからではない。将来、もしナギサに介護が必要になったら、自分がもっと稼ぎ、介護のプロを雇うと約束したくらいなのだから。

 

結婚はずっと一緒にいたい人とするもの。このシンプルな一言が、このドラマが提示した結論なのだろう。第8話のサブタイトル内にある「本当に大切な人」である。メイ自身、結婚には年齢も家庭内の役割分担も関係ないことに気づかされた。母親のように見守ってくれるナギサがいないと耐えられないことを悟った。

1990年代までは「結婚相手は3高(高学歴、高収入、高身長)が理想」と言われた。今でも収入や容姿を第一に考える人が多い。その観点で考えると、おそらく求愛されていたアーノルド製薬の田所優太(瀬戸康史、32)と医師の肥後菊之助(宮尾俊太郎、36)のほうが結婚相手としては上だ。もっとも、このドラマはそんな概念を否定したのである。