防衛省のやる気ナシ…「イージス・アショア断念」最大の問題は何だったか

見事なまでの「政治案件」その深層
半田 滋 プロフィール

河野氏は「次の次」の首相候補として

河野氏は今年4月26日、インターネット番組で自身のツイッターのフォロワー数に触れ、「安倍総理が190万で河野太郎が150万」と述べ、「私のフォロワーが1人1フォロワーを増やすと総理を抜く。ぜひ明日からご協力いただきたい。めざせ、安倍総理」と呼びかけた。首相ポストへの野心満々というところだ。

河野氏は当選8回。入閣する以前は、反原発を掲げ、父親の河野洋平氏を連想させるリベラル派議員と見られていたが、安倍内閣で外相就任後に態度が一変した。

テレビカメラが入っている大臣室で「極めて無礼」と非礼な言葉を投げつけて駐日韓国大使の発言を遮り、「外相専用機が欲しい」と言っては周囲を驚かせた河野氏だったが、防衛省に来て、周囲に目配りするようになった。

防衛省幹部からは「意見をよく聞いてくれる」と評判が高い。新型コロナ対策に取り組む医療関係者を激励しようと航空自衛隊のアクロバット・チーム「ブルーインパルス」による都心の飛行を実現したり、古くなった防衛装備品のオークションを実施したりするなど、話題づくりに懸命になっている。

極めつけがイージス・アショアの配備停止だったのだ。仮に停止に踏み切ることなく、配備を続行していれば、次の適地となる自治体をおわび行脚することになる。頭を下げ続けていれば、イメージダウンは著しく、総裁候補の夢は遠ざかったに違いない。

 

政治案件ゆえに防衛省にモチベーションがなく、配備失敗に終わったイージス・アショア。引き換えに敵基地攻撃能力の保有が急浮上した。

米国にはイージス・アショアの導入費の代わりに攻撃力を増した自衛隊を差し出し、配備断念によって国民のためを思う政府を演出し、河野氏は「次の次」の首相候補の地位を固めることになった。

三方丸く収まるとはこのことだが、三方すべてが欲にまみれ、ゆがんでみえる。