防衛省のやる気ナシ…「イージス・アショア断念」最大の問題は何だったか

見事なまでの「政治案件」その深層
半田 滋 プロフィール

候補地の再調査結果は未公表

防衛省は、米空母艦載機の離発着施設として鹿児島県の馬毛島を予定した45億円をはるかに上回る160億円で購入しており、敷地が狭いなら土地の買い増しをすればよさそうなものだが、あっさりあきらめている。

住民の説得や買収交渉といった自分たちの仕事を増やすような面倒を避けたい気持ちが如実に現れたといえる。「陸上自衛隊が運用するのだから陸上自衛隊の演習場」と単純化して、選択の幅を狭め、配備断念へと突き進む結果になった。

 

だが、それだけではない。見直しが進んでいた秋田市の新屋演習場に代わる候補地について、再調査の結果公表は3度にわたって延期され、いまだに公表されていない。

防衛省幹部は「実は国有林が適地となる可能性があった。森林を伐採して施設を整備するのに相当な費用がかかる。秋田が断ったものを引き受ける自治体があるはずもない。配備までに河野大臣は何回、頭を下げるのかとなった」と河野氏への「忖度」を語る。

今でこそ、安倍首相の退任表明を受けて、次の首相に菅義偉官房長官の就任が有力視されるが、河野氏が配備停止を表明した今年6月時点では、来年9月に自民党総裁選があり、それまで安倍首相が続投するのは確実視されていた。