「ビジャレアルの指導」への日本教員の反応

私の中にずっとくすぶっていたそんな疑問が、つい最近少しだけ解けた。
それは、今月2日にこのサイトで寄稿した「久保建英が選んだスペイン・ビジャレアル驚きの『指導改革』の中身」への反響だ。

この記事は、欧州で最も堅実な育成機関と評されるビジャレアルのカンテラ(育成組織)が、6年目から行ってきたコーチたちの指導改革にフォーカスしたものだ。けん引してきたスタッフのひとりは、佐伯夕利子さんという日本人女性だ。

佐伯さんを含む総勢120人のコーチたちは、胸にアクションカメラをつけ、子どもたちへの声掛けや、どのタイミングでどこを見ているのか、何に注目して指導しているのかがわかるよう記録。撮影したビデオを見て、コーチ同士で「ここはこうしたほうがいい」などと互いの指導を評価し合った。

すると、徐々にコーチによる指示命令が減っていった。ついには「今の(プレー)は、どう思う?」と問いかけ、子どもたちにフィードバックすることが重要だと気付く。3歳の幼児クラスでさえ「いま、どうしてそこにパスをしたの?」と尋ねる。最初はたたずんでいるだけの3歳児がだんだん説明し始める。それについて、コーチらは「そうなんだね」と承認する。
3歳から意見を求められるビジャレアルの子どもたちは、こうして自ら考え、自己決定できるようになる。つまり、誰かの言われた通りに動くのではなく、すべて自分で選択するのだ。

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この記事に寄せられた感想をSNSなどで読むと、特に小中学校の先生たちが非常に肯定的に受け止めていることがわかる。
「日本の学校教育に足りないものがここにある」
「これをひとり一人の教師が自覚したら、すごいスピードで学校が変わる。イノベーションが起こる」
「子どもを自走させるためには問いかけること、選ばせることが重要。でも、これが日本では本当に難しい」

これらを読むと、子どもたちに選択させることの重要性が、先生たちに周知されていることがわかる。だが、子どもは先生や親の言うことを聞かなくては怒られるし、言われた通りのことをすれば褒められるのが現実だ。それが日本の子どもたちの今の姿だろう。
実のところ、私たち日本の大人は、子どもたちに選ばせていないのだ。