レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か(原題:Worlds of Influence: Understanding what shapes child well-being in rich countries)」は毎年ユニセフから発表されている。要は「先進国の子どもの幸福度ランキング」だ。9月3日に公表されると、日本の子どもが身体は健康でも精神的には満足度が低いという内容に騒然とした。それはなぜなのか。子どもたちを幸福にするにはどうしたらいいのか。ジャーナリストの島沢優子さんがその原因の背景を分析し、未来を良くするための方法を考察する。

島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」今までの記事はこちら

身体的健康は1位なのに

今月3日に公表されたユニセフ(国連児童基金)が先進38か国で子どもについて調査した結果に、ネットがざわついた。国民皆保険で医療レベルも高いため死亡率などが低いこともあって「身体的健康」は1位。それなのに、生活の満足度が高いと答えた割合や自殺率の数値を比較した「精神的健康」は、37位と調査対象国中ワースト2位だった。

我々おとなたちは、子どもたちの心身共に健康であってほしい、幸せになって欲しいと思っているはずだが… Photo by iStock

15歳の子どもたちに「今の生活の満足度」を0~10で評価してもらったところ、「5以下」と答えた割合は、日本は4割近かった。総合1位のオランダでは約1割だったという。

つまり、日本の子どもたちはある意味、精神的飢餓状態。こころはボロボロですよ、というわけだ。
ただ、この結果にあまり驚きはない。OECD先進7ヵ国の調査で、日本の子どもの自己肯定感が断トツに低いことがよく取り沙汰されるからだ。昨年内閣府が公表した2019年度の「子ども・若者白書」によると、「自分自身に満足している」という質問に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した日本の若者(13~29歳までの男女)は45.1%しかいなかった。半分以上の子どもが自分をどこか否定的にとらえているということだ。

自分への満足度の先進7ヵ国との比較をみると、明らかに少ないことがわかる 内閣府2019年度「子ども・若者白書」より

なぜ、私たちが育てている子どもたちは、こんなにもこころの健康を損ねているのだろうか。