マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える

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週刊現代 プロフィール

遡ること1ヵ月ほど前、トヨタが発表した見通しを元に、マスコミ各社は、「トヨタの今期営業利益、8割減の5000億円」(日本経済新聞)、「トヨタ衝撃『8割減益』危機再び」(朝日新聞)と報じていた。

豊田氏の不満は、こうした報道に対して向けられたものだった。

「マスコミの報道について、私も決算発表の当日は、いろんな方から『よく予想を出しましたね』『感動しましたよ』と言っていただきました。

ただ、次の日になると『トヨタさん大丈夫』『本当に大丈夫なの』と言われてしまい、一晩明けたときの報道の力に、正直悲しくなりました」

なぜ「こんな状況でも臆さずに決算予想を発表した」ことを評価せず、「8割減益」というネガティブな報じ方をするのか。豊田氏は、そう言いたかったのだろう。

 

豊田氏は、社長に就任して以来、幾度となくメディアの「掌返し」を味わってきた。

社長に就任した'09年から'10年にかけて、トヨタでは「大規模リコール」が発生し、一時は「経営危機」とまで報じられた。

ところが、'13年に世界の自動車メーカーで初の生産台数1000万台を超え、'15年3月期決算で日本企業として初の純利益2兆円超えを達成すると、今度は一転、豊田氏の経営を称賛する報道が相次ぐ。

その後も、コストをカットすれば「下請け叩き」と非難されたし、執行役員の数を減らせば「独裁体制」と言われた。

そして今度は、あらゆる企業が苦しんでいるコロナ危機のなかで、トヨタの減益だけがことさら大々的に報じられ―。

何を言おうが、何をしようが、その時々の気分で好き勝手に報じるだけのマスコミの相手はしていられない。今回の決算報道のみならず、積年の思いが込められたのが、「ロバの話」だったのだ。

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