きっかけは、夫婦でデパートに出かけた時のことだった。奥様の瑤子さんが言う。
「いつも私が主人の洋服を選ぶんですが、体のサイズに合うジーンズがなかったんですね。お腹周りが1メートル近くあって、ウエストに合わせたジーンズを履いてみると、ものすごいおかしな格好になっちゃってた。それまでは彼は出っ張ったお腹を隠していたんですね。だから、私は言ったんです。『お腹をへこまさないと洋服を選んであげられない』って」
そこで瑤子さんは、自宅マンションに近い場所に、あのテレビCMで知られるライザップの店舗があることを知り、「行ってみましょうよ」と夫を誘ったのだ。大村さんもライザップのことは知っていた。
「いつも梅沢富美男君のCMを見ててね。彼はとても真面目な俳優さんでね。よく新幹線とかいろんなところで会うんです。僕に最敬礼してくださる方なんですよ。そんな方がCMやってるのは見ていたんだけど、特に関心はなかったんです」
冷やかし半分にライザップに出かけてみた。すると、親身に話を聞いてくれてすっかりやる気になった瑤子さんはその場で契約。大村さんも重い腰を上げた。
「『じゃあ、僕もやってみようか』って。まあ、面白くなかったり、辛かったりしたらすぐやめればいいやと思ってね」
それが2018年の春のことだった。