厚生労働省のITシステムは、なぜこうも不具合が多いのか?

業者に丸投げ、評価能力なし
野口 悠紀雄 プロフィール

COCOAで通知を受けても検査を受けられない

接触確認アプリCOCOAが6月19日から利用可能になっている。

このアプリも、運用開始の初日に不具合が生じて、運用停止になった。この不具合は修復されたが、基本的なところで問題を抱えている。

第1に、HER-SYSとの関係がある。COCOAの処理番号はHER-SYSが発行する。それが以上のような状況では、陽性者と接触していても、COCOAで迅速にその事実を知ることはできない。

第2は、保健所の検査態勢との関係だ。COCOAから接触通知を受けた場合には、「専門外来で受診するよう案内される」とされていたので、多くの人は、「検査が受けられる」と考えた。

ところが、8月23日の日本経済新聞によると、CPCOAで通知を受けた人の8割は、検査を受けられなかったというのだ。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省は8月21日、「感染者と濃厚接触した可能性があるとCOCOAから通知を受けた場合、希望者全員が無料でPCR検査を受けられるようにする」と発表した。

しかし、上記の日経記事によると、「保健所の業務は再び逼迫しており、迅速に検査が受けられるかどうかは不透明」、「問い合わせが今後殺到するようなら、人手が足りるか不安は拭えない」 というのだ。

接触確認アプリは、検査体制と連動しなければ、意味がない。

第3の問題は、自治体が導入するQRコードを使った感染情報通知システムが乱立していることだ。乱立状態ではどれも広く利用されず、機能しないことが懸念される。

 

この話を聞いていると、電子マネーで「**ペイ」が乱立しているのを思い出してしまう。こうしたものは、乱立していては意味がないのだ。