9月10日 包括的核実験禁止条約採択(1996年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1996年の今日、包括的核実験禁止条約(CTBT)が国連総会で採択されました。

 

核軍縮に向けた大切な一歩でしたが、課題も多く残りました。

外務省によれば、核問題をめぐる議論の3つの柱とは「核軍縮」「核不拡散」「平和的利用」です。CTBTは「核軍縮」にあたり、核兵器保有国が核兵器を減らすための取り組みの一環とみなされています。CTBT以前、似たような条約に部分的核実験禁止条約(PTBT)がありましたが、地下核実験を容認するなど抜け道もありました。

CTBTは地下核実験を含むすべての核爆発を伴う実験を禁止する、PTBTより一歩進んだ条約で、核軍縮の理念に対する世界的な賛成を示すものとして大きな役割を持つ条約です。しかしフランスと中国が採択直前に「駆け込み需要」的な核実験を強行するなど、核問題の解決をもたらしたとは言えないのが実情です。

IAEA(国際原子力機関)は核保有国と潜在的核開発能力を持つ国として44ヵ国を指定し、CTBTの発効には44ヵ国すべての批准が必要とされています。しかし、アメリカや中国など8ヵ国の署名・批准が済んでおらず、2020年現在、CTBTは未発効のままです。

CTBT採択後の1998年、領土問題を抱えるインドとパキスタンが相次いで核保有を宣言し、2006年には北朝鮮が核実験を行いました。アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国に続く「新たな核保有国」に対する取り組みも含め、核軍縮・核不拡散に対する国際社会の在り方が今なお問われています。

ニューヨークの国際連合本部ビル Photo by Gettyimages