2020.10.04

超難関「東大医学部」合格者でも落ちる…? 知られざる「医師国家試験」の凄まじい世界

原田 広幸 プロフィール

天才的な思考力があっても

――近年、医学部生に変化はありますか?

日高:本番の国家試験に落ちたり、進級試験に落ちて留年したりする理由として、(1)学力、基礎力の不足、(2)学習時間の不足、(3)受動的な学習姿勢、(4)自己管理能力の低下、(5)自己分析の不足、(6)メンタル面の弱さ、等が考えられますが、大きく分類すると、後半の理由(4)(5)(6)が、20年前に比べて格段に増えてきたように思われます。

最近の学生は、昔の学生よりも、ずっと真面目です。しかし、主体的に物事を進められない人が多いのも事実。一方で、指示した内容については、しっかりとこなしてきます。また、一見素直に見えますが、実は受動的で、自分で課題を発見し、工夫したり試行錯誤をしたりすることが苦手な学生もとても多いです。

 

――医学部の定員を増やすと、医学部生のレベルが下がり、ひいては医師の質が低くなるというような意見が、医師の内部から聞こえることもありますが、予備校としてどう思いますか?

日高:医学部定員増と、医学生のレベルの変化については、本質的には、ほとんど変わらないと感じます。医大生・医学部生の学力は、昔からそれほど変わらないし、全体として、医師としての適性もそれほど変化しているとは思いません。

しかし、一部の学生の中で、モチベーションの低下やモラルの欠如が目立ってきているのが問題だと感じます。成績が良いだけで医学部を目指すという風潮があると言いますが、それが原因ともいえます。

学力だけでなく、医師の適性という部分も重要となる。例えば、東大理科3類に合格できる天才的な思考力があっても、医師として必要な医学知識の暗記が苦手で、コミュニケーション能力が低いなどという理由で、医師になることが苦痛となり、結果、国家試験合格が難しいケースもあるそうだ。

このことからも、医師になりたいという強い志や適性がいかに重要かがわかる。一方で、医学部に入学するポテンシャルがあり、志が高ければ、国家試験には必ず受かるといえるのだろう。

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