〔PHOTO〕gettyimages

安倍首相が日本を「戦争ができる国」に変えた…歴史に残る強引な大転換

「外交の安倍」ともてはやされたが…

安倍政権と集団的自衛権

安倍晋三首相は、安全保障政策を大転換させた首相として歴史に名前を残すことだろう。辞任表明により、目標とした憲法改正はかなわなかったものの、歴代政権が「違憲」としてきた集団的自衛権の行使を「合憲」と一変させたからだ。

その強引なやり方は、7年8カ月に及ぶ安倍政権のもと、力で押し切ってきた森友・加計問題、「桜を見る会」の問題などと比べても、相当な無理筋といえる。

集団的自衛権行使の「解禁」により、米国の戦争に参戦することが可能となり、今また敵基地攻撃能力の保有へと舵を切ることによって「自衛隊の軍隊化」はほぼ完成する。

米軍のオスプレイに乗り込む陸上自衛隊員=陸上自衛隊のホームページより
 

2006年から1年の短命に終わった第1次安倍政権で安倍首相は「戦後レジームからの脱却」「この国を取り戻す」などの抽象的な言い回しで憲法改正を目指す姿勢を打ち出した。

しかし、2012年からの第2次安倍政権以降では、例えば憲法第9条を改正する必要性の説明はコロコロ変わり、「憲法を変えたいから変える」という以外に伝わるものはなかった。

一方、集団的自衛権行使の行使を解禁する理由については、以下の通り、明快に述べている。

「われわれには新たな責任があります。この日米安保条約を堂々たる双務性にしていくということです。(略)いうまでもなく軍事同盟というのは“血の同盟”です。日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。しかし、今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないわけです。(略)双務性を高めるということは、具体的には集団的自衛権の行使だと思います」(『この国を守る決意』扶桑社、2004年)