# 確定申告

役所に「申請すればもらえるおカネ」がもらえない…? その意外な「真実」

実際に受け取るまではこんなに困難…
黒田 尚子 プロフィール

ちなみに、会社員の場合、準備するのは以下の通りである。

・確定申告書(会社員の場合は「A様式」を使用)
・勤務先で配られた源泉徴収票(2019年4月以降、提出は不要)
・医療費や交通費(タクシー)の領収書やレシート(合計額の計算のため、提出は不要)
・医療費控除の明細書
・還付金を受け取る金融機関の口座番号がわかるもの(通帳やカードなど)
・マイナンバーがわかる書類(マイナンバーカード、通知カード+本人確認書類)

このうち、恐らく一番面倒なのは、医療費控除の明細書の作成だろう。保管しておいた申告する1年間分の領収書やレシート、健康保険組合等から送られた「医療費のお知らせ」等を見ながら、医療を受けた人ごと、病院ごと、日付ごとに分け、税務署からもらってきた、あるいは、e-Taxでダウンロードした明細書に記入していく。

ここまで説明を進めたところで、確定申告ビギナーの様子を伺うと「なんか、面倒くさそうですよね」とため息。さらに「それで、結局、どれくらいおトクなんですか?」と質問される。

Photo by iStock
 

医療費控除のおトク度については、2020年1月19日付コラム『ソンしてない? 「医療費控除」でやってはいけない3つの大間違い!』で詳しく説明しているので、こちらをご参照いただきたい。

ここでは、仮に、1年間の医療費が合計20万円だった場合でおトク度を確認してみよう。年収別の医療費控除で還付される所得税は、以下の通りとなる。

<前提条件>基礎控除のみ、扶養家族なし、復興特別所得税は考慮しない
・給与収入300万円→5,200円
・給与収入500万円→10,000円
・給与収入1000万円→23,000円

医療費が20万円でも、そこから一律10万円が差し引かれ、さらに医療保険などから給付金を受け取っていると、それも差し引かねばならない。そのため、医療費控除の額が10万円をちょっと超えた程度だと、ほとんどお金が戻ってこないケースもある。

「え?これだけ大変なのに、それくらいしか戻ってこないんですか!?」

申請の手間プラス時間と戻ってくるお金を比較して、見合わないと申請するのを止める人もいるようだ。