# 確定申告

役所に「申請すればもらえるおカネ」がもらえない…? その意外な「真実」

実際に受け取るまではこんなに困難…
黒田 尚子 プロフィール

自動的に適用されることはまずない…って!?

まず、基本的に公的制度は、すべて本人からの「申請主義」による判断が起点となっている。つまり、利用したい人が、該当する行政機関に申し出て、正式な手続きを経て申請するところからスタートだ。

たとえば、公的年金が受給できる年齢になったら、日本年金機構から送られてくる裁定請求書に必要事項を記入し、社会保険事務所に提出しなければ、年金は受給できない。

要するに、何らかの公的制度やサービスの恩恵を受ける場合、すべてがセルフサービスというわけだ。まず、この点をしっかりとご理解いただきたい。

ただし例外的に、申請不要の給付金もゼロではない。たとえば、今回のコロナ禍において、現行の児童手当に上乗せして児童一人あたり1万円が給付された「子育て世代臨時特別給付金」は、お住まいの市区町村から案内が送られ、自動的に登録してある銀行口座に振り込まれた。

 

しかし、給付を希望しないのであれば、「子育て世帯への臨時特別給付金受給拒否の届出書」を提出して、辞退することもできたのである。

公的制度はセルフサービスである旨を説明すると、「すべて申請主義なんて、不親切だ!けしからん!」などと、感じる人はいるかもしれない。しかし、なんでもかんでも、該当者に自動的あるいは強制的に給付がされると「受給しない自由」を奪うことにもなりかねない。子育て世代臨時特別給付金の案内に、給付辞退の選択肢が用意されていたのも、そのような考え方に基づいているのだろう。

「このご時世、お金くれるっていうのに要らないなんて、そんな人いるの?!」と思われるだろうが、前述の年金に関していえば、受給開始年齢を遅らせて増額された年金額を受け取るために、繰り下げ受給するのであれば、申請手続きをする時期は自分で決められる仕組みの方が都合は良い。

となれば、本人が、制度の内容を確認した上で、自らの意思で申請して手続きを行う「申請主義」が、最も合理的で現実的な方法だと言える。