安倍首相退陣によって「テレビ業界」にこれから待ち受けること全て…

お友達人事のその後

まず、NHKの会長選びが変わる

安倍晋三首相(65)が来月中旬に退陣する。連続在任期間が過去最長の7年半だったこともあり、退陣によって官界や産業界に変化がもたらされるに違いない。テレビ界にも影響がおよぶのは必至だ。

まずNHKの会長選びが変わる。安倍首相が2012年12月末に返り咲いてから、現在までにNHK会長は3回交代し、その人事のたびに官邸の関与が取りざたされたが、本人が辞任するのだから、もう安倍首相が会長人事に関係することはない。

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現在の会長は1月に就任した元みずほフィナンシャルグループ会長の前田晃伸氏(75)。安倍首相と近しい人だ。首相を囲む財界人の集まり「四季の会」のメンバーだった。

李下に冠を正さずという言葉はどこへやら。ここまで露骨な会長人事は過去に例がない。まるで安倍首相なら何でも出来ると言わんばかり。「安倍1強」という異例の権力体制下しか実現しない人事だろう。

受信料は野党支持者も無党派層も支払わなくてはならないが、その意向は一切無視された形だった。BBC(イギリス)やARDとZDF(ドイツ)などフェアネスを重んじた公共放送が存在する欧州人たちがこの人事を知ったら、衝撃を受けるのではないか。
前田会長は2019年12月の就任前の会見で、「どこかの政権とべったりということはない。その気もない」と語った。一方、「突然のご指名で驚いた」と明かしている。

驚いたのは放送担当記者や視聴者も同じはず。前田会長は安倍首相とは近しいものの、ジャーナリズムやコンテンツ事業に通じているわけではない。組織の体質もNHKと銀行ではまったく違うのだ。